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松井秀喜と黒田博樹は、わたしにとって別格のベースボールプレイヤーです。
というよりも。
ベースボールプレイヤーのなかだけでなく、すべてのアスリートにおいて破格の存在。
その理由はいたってシンプル。
類い稀な才能を活かすべく、誰にも負けない努力を続ける人間であること。なにより、人間性が誰よりも素晴らしい人物であること。
子どもたちに「どのプレイヤーより、このふたりをお手本にしてほしい」。
力強く言いきれる、シンプルで美しいメンタリティや、ひととしての在り方は、昨今、ブレやすく、いつしか驕ってしまいがちな人間が増えた世の中において、稀有な存在感をはなっています。
それはすべて、才能や立場にあぐらをかかず、器や人間性を磨き続けた結果です。
誰もが簡単にマネできない、ほかのプレイヤーとは一線を画す存在。それが、松井秀喜であり、黒田博樹であり。
投打の別格が、ニューヨークヤンキースという超名門チームにおいて、4番バッター・エースをそれぞれ務めあげ、なおかつ人間性まで高い評価を受けている。
奇跡のようであり、実は奇跡でもなんでもなく必然。そう実感します。
とかくドライと評されがちなニューヨーカー。ところが、真逆とも呼べる「情熱や恩義を持ち合わせる人間たち」であることは、先入観にとらわれる人間たちには伝わりにくいこと。
アメリカの「ひとをたいせつにする。ひとに敬意を払う」リスペクトの想いと振る舞い。典型的な「村社会文化」が根強い日本が、実はどこよりも見習うべき美徳であり姿勢。
「彼以上にニューヨーカーに愛された日本人はいない」。
辛口として知られる現地主要ポスト紙に、はっきりと断言された松井秀喜。
ついにバットを置く決断をしてからこの日を迎えました。松井秀喜の「人間としての美しさ」にふさわしい引退式でした。
口さがない人間が汚そうとしても、一生汚れを知らないひと。
本当にお疲れさまでした。そして、本当にありがとう。これ以上、「瑣末なことで苦しむことがないように」と願ってやみません。
狭い視野や古い価値観、しがらみといった混沌に巻き込まれていい人間じゃない。そんな程度の低い人間ではないのだから。
どうぞニューヨークで、家族そろって幸せな日々を過ごしてください。
長年にわたり、「あなたのファンで本当に良かった」と、最初から最後まで心の底から思わせてくれたことに、あらためて感謝しつつ。松井秀喜選手、本当にどうもありがとう。
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