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第一報が入ったのが、仕事で移動中。にも関わらず、涙があふれそうになって焦るほど、感情の高ぶりが止まりませんでした。
「ああ。ついにこのときがやってきてしまったんだな」と。もう本当にどこまでも本音。
彼女の果たした功績や人間性を振り返るたびに、「お疲れ様でした」と「ありがとう」という想いでいっぱいになり、ひとりの女性としての人生を考えると「よくぞここまでがんばってこられた」と頭がさがる。
なのに、「さみしいな」という偽らざる本音もポロリ。どこまでも心を揺さぶるひとだからこそ。雄弁に語るより、その身ひとつで、その姿で、艱難辛苦をも乗り越えながら極上の物語を紡いできたひと。
日本が誇るアジア初バロンドーラー。男女通して、日本サッカー史上最大かつ最強の功労者。「なでしこ」の名を世界に広めたそのひとは、澤穂希。
今日、今シーズン限りでの現役引退を発表しました。
心の底から揺さぶる魂で勝負をし、走り続けた勇者。澤穂希現役引退表明
日本女子サッカーのレジェンドがついに…澤穂希が現役引退を表明(ゲキサカ)
「言葉にならない想いってあるんだな」と、あらためて感じています。こんなに言葉にならない想いには、そうそう出会えない。
さっきから、想いを記そうとするたびに涙がこぼれ、涙をぬぐいながらまた気を取り直してパソコンに向かうと、再びあふれてくる。戸惑ってしまうほどにその繰り返し。
「お疲れ様でした」「ありがとう」。なのに、「やっぱりさみしいな」という本音。「一生現役の姿が似合う」などと本気で感じさせてくれる選手。
荒唐無稽な話だと誰もがわかっていながらも、多くのひとたちの心の底から揺さぶる魂で勝負をし、走り続けた勇者だから。
サッカー日本女子代表なでしこジャパン初戦突破!ワールドカップカナダ大会開幕
予知能力・危機察知能力・バランス感覚が「澤穂希を超える選手はいない」と言わしめる
「予測能力・危機察知能力・バランス感覚が飛び抜けて優れている」と国内外問わず高評価の澤穂希は、体力・技術面で超えたとされる後輩が出てきたものの、いまだ「澤穂希を超える選手はいない」と断言されるほど。
テレビ朝日解説でおなじみ(かなり愉快なイミで・笑)の松木安太郎さんの名ゼリフ。
「また10番澤がいる!」「ここにも10番澤がいる!」「10番澤は何人いるんだ?!」
中継で初めて耳にした際には「出た出た松木節www」と大爆笑だったものの、見事に本質をついた名ゼリフだな、と。つまり、それを現実のものとしたのは、彼女の優れた予測能力・危機察知能力・バランス感覚の賜物。
「苦しいときは私の背中を見なさい」澤穂希が心優しきクイーン、レジェンドと評される理由
歴代の日本男子・女子サッカー選手、双方通して、「10番」がこれほど似合う選手もいない。その真実をはっきりと世に知らしめ、誰もが心を奪われた澤穂希の珠玉の言葉。
「苦しいときは私の背中を見なさい」
2008年に開催された北京オリンピックにて、自身の後を継ぐ後輩が国際大会を乗り越えられるようかけた言葉。「背中で語る」レジェンド澤穂希ならではの想い。
屈強な男でもなかなか言えない。間違いなくそうたやすく口には出せない。なのに、こんなセリフが誰よりも似合ってしまう。「このひとは違う」と見抜く瞬間。
なぜ彼女が「心優しきクイーン」「レジェンド」と呼ばれるのか。彼女には、他者を自己利益で利用するずる賢さや、女性を武器に迷走しながら振る舞うあこぎさや、自己中心的な傲慢さがいっさい存在しないから。
だからこそ、本心から生まれる本物の数々。その身ひとつで闘ってきた彼女のそれは、すべてが魂の言葉。
夢は見るものではなく、叶えるもの。
#BeTheDifference #澤穂希 pic.twitter.com/9t6Xam3Lh3
— アディダス フットボール (@adidasFTB_jp) 2015, 12月 16
「お疲れ様」「ありがとう」チャーミングなレジェンド・澤穂希の勇姿を一生忘れない
「やっぱりさみしいな」。だけど、「本当にお疲れ様でした」「本当にありがとう」。
あなたの勇姿を一生忘れない。一生忘れることなんてできない。「苦しいときは私の背中を見なさい」が似合う、有言実行の最高かつ最強の男前でありながら、誰よりも心優しきクイーン・澤穂希。
ずっとその両肩で背負ってきた、あるイミ背負わされてきた側面もある重たい荷を降ろして、「サッカー選手・澤穂希」としての人生をゆっくりとねぎらってあげてほしい。
これからはまた、新たな人生のスタート。その背中を必要とする、その背中を見ながら勇気づけられるひとたちがたくさんいる。と同時に、ご結婚もされたことでなおさら、ひとりの女性としての大いなる幸せも。
どうかこれからも幸多き人生でありますように。あなたの輝かしい前途を祈ります。
It is not the end but the beginning. Wish you be always filled with happiness.