ありがとうユルゲン・クロップ!香川真司恩師・ドルトムント躍進の立役者、万感のフィナーレへ

悲しみに包まれていたのでブログ更新をストップしていました(違います)。

お前はクリスティアーノ・ロナウドか!」(誰もが同情した「それは絶対に言っちゃいかんだろ(呆)」をレアル上層部に吐かれた際にクリさんがこぼしたとされる名ゼリフ「悲しみに包まれている」)

ノリツッコミしつつ、半分冗談、半分本当。悲しみでもあり惜別でもあり、そして今後へのさらなる期待でもあり。海外サッカーファン、とりわけブンデスリーガファンなら誰もがすでにご存知ですね。

ドイツ・ブンデスリーガ香川真司所属ドルトムントの「稀代の名将」とうたわれる指揮官ユルゲン・クロップが、今期限りでの退任を発表しました。

【ゲキサカ】「もう一度パレードできるよう願う」最後まで諦めないドルトムントの名将ユルゲン・クロップ、辞任を発表

 7年近く続いてきたドルトムントの一時代が終わろうとしている。2008年夏以来同クラブで指揮を執ってきたユルゲン・クロップ監督は15日、今シーズン限りで辞任すると発表した。

 15日、サッカー界に大きな衝撃が走った。ドイツ『ビルト』が、クロップ監督がドルトムントとの契約の解除を申し出たと伝え、クラブはその数時間後に緊急会見を開き、同監督の去就を明らかにした。

 ハンス・ヨアヒム・バツケCEOとミヒャエル・ツォルクSD(スポーツディレクター)が同席した会見で、クロップ監督は次のように話している。

「自分がこのクラブに100%ふさわしい監督ではないと感じた時にはそう言うと、私は以前から宣言してきた。いつも自分に問いかけてきたが、数週間前から自分がふわさしいのだと確信することができなかった。強い信頼関係にあるアキ(バツケ)とミヒャエルにその思いを伝える義務を感じたんだ」

「なぜ現時点で決断したかは、サッカーのこととは関係ない。このクラブでは、多く決断が遅い段階で出される傾向があった。そのため選手数名の移籍に対し、反応を取れなかったことがある。そのような(クラブにとっての)時間的なプレッシャーがないようにしたんだ」

「このような素晴らしいクラブから離れる決断を下すのは、信じられないほど難しいことだ。我々コーチ陣はここではものすごく居心地良くしている。ここに来てからクラブはさらに前進し、さらに偉大なクラブとなっている。でもプロとしてはロマンを頭から離して、決断を下さなければいけない」

「このクラブは100%ふさわしい監督に指揮されるべきだ。メディアで今朝、私が疲れているという記事を読んだが、そんなことはない。他のクラブともコンタクトを取ってはいない。休養を取る予定もない。まだ先のことはあまり考えていないんだ」

 ブンデスリーガでは10位につけるドルトムントにとって、今シーズン唯一獲得できるトロフィーはDFBポカールだけとなっている。

「できるだけ上の順位を目指し、もう一度トラックに乗ってボルシグ広場の周りを走る(パレードする)ための理由をつくれるよう願っている」

引用:ゲキサカ

誤解しているひとも多いようなので補足。「解任」(上層部から成績不振を理由に辞めさせられる)ではありません。クロップ本人から辞めます」と申し出た「辞任」です。



クレバーな戦略家かつ度量が大きく人間愛にあふれたやさしさという両極を有する稀有な人物

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第一報が入った当初、わたしも「今期だけの成績でクロップを解任なんてどうしちゃったんだよドルトムント!」と感じたものの、続報で「上層部の必死の引き止めにも関わらずクロップ本人の意志は固かった」と知り、「ああ、やっぱりな……」と。

自らの進退や想いに関して、立場上の影響なども考え多くを語らない(言い訳などもしない。いつも「チームと選手」ばかり。時としてチームのために吠えることはあってもすべて我欲と無縁)聡明なクロップだけに、公明正大に言わないものの、ここまでやってきていろいろと考えるところもあるだろうな、と。

そして、なにより責任感が強く、人間想いの人物。クレバーな戦略家にも関わらず、これだけ度量が大きく人間愛にあふれたやさしい監督というのも本当に本当にめずらしい。



ユルゲン・クロップは「お母さん」他の監督とは違う愛情深い理由

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お父さん」と表現されることが多い同監督。でも、同時に言われていることが「お母さん」。

実はクロップは、父性愛というより母性愛がとっても強いひと。「ああ、なるほど」と思い至ることありませんか?どこまでも大きなお母さんの愛情。

他の監督とはまったく違う愛情で包み込むこのひとは、父性の監督というより母性の監督。だから選手が安心して頼り甘えるんだろうな、とすっと感じてきました(甘ったれではない。プロフェッショナルとしての信頼というイミ)。



どこかの放蕩息子を心配しながら愛情深くブレずにじっと見守り続けた姿はお母さんそのもの

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どこかの放蕩息子さんが、時に栄光を掴みながらも時に路頭に迷いもがく姿をじっと見守り、自分自身の存在を「帰るべき我が家」として在り続け、限界と見るや鮮やかな動きで手配し、温かな帰り道を用意し迎え、再生までこぎつけた。

こんなことできるひと、他にはいないですよ。この世の中に他には絶対に誰ひとりとしていない。

きっとそれを誰よりも身に染みて理解しているのは、どこかの放蕩息子さん、そう、香川真司本人なんだろうな、と。



辞任発表直後の試合でゴールし今にも泣き出しそうな表情を浮かべた愛すべき息子・香川真司

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クロップ辞任第一報を知った瞬間、素で出てきた言葉が「香川ーーー!!!なにやってんだーーー!!!

ごめんね、シンジカガーワ。もう本当に素で出ました、この言葉。「あんたはずっとずっと心配ばかりかけて!」という本音(笑)。

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でも、その直後の試合で見事ゴール。その際の表情がこちらの写真。

これ見たら、なんだかたまらない気持ちになりました。チームプレイに徹しながらも誰よりもずっとずっとゴールがほしかった。やっぱりそれはもちろん香川真司本人。

どこまでもクレバーな名将を侮るなかれ。「ゲーゲンプレッシング」は進化し続ける戦術

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もう攻略された古い戦術」と意地の悪いお馬鹿さんがブサイクヅラ晒して評する、ユルゲン・クロップの代名詞「ゲーゲンプレッシング」。

攻略?馬鹿言いなさんな、どこに目つけてんだ(なんとまあ正直極まりない)。

どんなに立派で美しいものも、すべて「攻略」はされている。されど、稀有だからこそ「進化」し続けることを見落とす「自分はやりもしないくせに無駄に偉そうなドヤ顔晒すしか能がない評論家にどうこう言われる筋合いはない(なんとまあ正直極まりない再び)。

それをあらためて証明しているのが、ここ数試合のドルトムント。

ドルトムント選手たちの壮大な「恩返し」ありがとうユルゲン・クロップ

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ドルトムント選手たちの壮大な「恩返し」。ドルトムントに美酒を振る舞い続けたユルゲン・クロップへの感謝を込めて。どうか万感のフィナーレを。

ありがとう、大好きな大好きなユルゲン・クロップ。終わりなきこれからのあなたの道筋と生き様も、心から楽しみにしています。