バロンドールを巡るクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの唯一無二な関係

スイス・チューリッヒにて現地時間12日(日本時間13日早朝)、FIFAバロンドール授賞式が行われ、2014年FIFAバロンドールをレアル・マドリード所属のポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドが受賞!

アルゼンチン代表のリオネル・メッシとのやりとりも含め、素晴らしい笑顔の授賞式に心温まりました。

2014年FIFAバロンドール、クリスティアーノ・ロナウド受賞!

観ていて「文句なし!」と納得する受賞。

実績だけ取り上げてももちろん驚異的。とんでもない数字です。

2008年と昨年にバロンドールを受賞したC・ロナウドは、昨季のリーガエスパニョーラで31得点を記録してゴールデンシュー(欧州得点王)に輝いた。チャンピオンズリーグでは最多得点記録となる17ゴールをマークし、マドリーの優勝にも貢献。2014年は最終的に61得点(クラブ56得点、代表5得点)を挙げ、驚異的な得点率を誇示した。

引用:GOAL

す・ご・す・ぎ・る

数字だけとっても、立ち居振る舞いを目にしても、いずれも素晴らしい。誰もがうれしくなる受賞ですね。


スタンディングオベーション級のC・ロナウド受賞スピーチ

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さて、バロンドールといえば、長年ライバル関係といわれるFCバルセロナ所属のリオネル・メッシ。

圧倒的な強さで4年連続受賞当時、授賞式会場でのロナウドの悔しさを隠せない表情がとても印象的だったことはいまだ記憶に新しいところ。

こうした過去があるからこそ、今回の受賞スピーチは文字通り「素晴らしい!」と喝采を集めました。

2年連続、通算3度目となるバロンドールを受賞したレアル・マドリーFWクリスティアーノ・ロナウドは、再び同賞を勝ち取る意欲を示した。

ヨハン・クライフ氏、ミチェル・プラティニ氏、マルコ・ファン・バステン氏と並んで、バロンドール受賞回数歴代2位タイとなったC・ロナウド。同選手は受賞スピーチで、4度同賞を獲得したバルセロナFWリオネル・メッシに並ぶ意思を表している。

「僕に投票してくれた人々、チームメート、監督、会長、レアル・マドリーのすべての人々の感謝をしたい。僕にとって、これは夢だ。同様に、自分が最高の選手となるために後押ししてくれた代表チーム、すべてのポルトガル人と、全員に感謝をするよ」

「このような重要な賞を勝ち取れるなんて、考えられなかった。唯一無二だよ。とても感動的だし、今後も同じ姿勢で働き、チーム&個人でタイトルを獲得するモチベーションを与えてくれる。忘れることなどできない瞬間だ」

「僕が止まることはないよ。メッシに追いつきたい。自分を夢から目覚めさせることなどできないし、それは僕に期待を与えるものだ。これまでに何度も言ってきたはずだよ。サッカー史に、最高の選手として刻まれたいとね」

引用:GOAL

あんたカッコよすぎや(感涙)。

と同時に、「大人になりましたなあ(感涙)」という気持ちでいっぱい。


「悪童」と呼ばれたかつてのクリスティアーノ・ロナウド

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昔のロナウドといえば、いわゆる「悪童」。

フットボーラーとしてのみならずプライベートでもかなりのヤンチャっぷりを大発揮。

言動や立ち居振る舞いも、正直お世辞にも「誠実で紳士的」とはいえず、トップストライカーかつ勝ち気が全面に出やすい人間にありがちな側面が多々。

そんな数々のエピソードから「ロナウドは悪童」と。

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正直、昔のクリさんはあまり好きではありませんでした。対照的といわれてきたレオ兄さんのファンだから、というわけではなく。

基本的にわたしのスタンスは、「好きな選手はたくさんいて、その中で特に好きな選手がいてもそのライバル関係とされる選手を闇雲に嫌うことはまったくない」。そういう労力使うことがこの上なくバカバカしいと思っています。

誰が好きより、サッカーが、スポーツが大好き。小さな細々したことで嫌うことほどめんどくさいことはない。ファン同士でいがみあうとか、わたしにいわせたら正直あほらしすぎる。

愛だぜ愛。仲良くしたらいいんですよー、だって面倒くさいじゃないですか(こういう意味合いとしてわたしはこの世で究極のめんどくさがり屋w)。


昔ヤンチャした人間が経験を経て人間性豊かになるパターン

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さておき。イブラヒモビッチのような「めずらしいほど愛すべき悪童」は別として、悪童プレイヤーがあまり好きではないのもあるんですね。

なので、「プレイヤーとしてはすごいけれど人間性が好きになれない。余裕がない部分が残念だなあ」と感じていたのが昔のクリさん。

ところが、本当にこの数年で変わった……!

昔ヤンチャした人間が「オレ(わたし)も昔はガキだったよなーw」パターンそのもの。

本人、あまりそういう意識はないでしょうが、明らかに人間性がとっても豊かになった。

良いイミで負けず嫌いバリバリは変わらず、ひとに対する愛情深さや思いやりあふれる言動、立ち居振る舞いの誠実さ、求道者そのものの実直さがにじみ出るように。

すべてがアピールするでもなく自然と。だからなおさら「良いイミで変わったなあ。人間としてもっともっと大きくなったなあ」と。


ファンサービスも素晴らしいロナウドの来日時エピソード

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その事実を裏付けるように、昨年来日したクリさんにはこんなエピソードが。

単独としては初となったロナウドの来日にイベントも大盛況だったようですが、ファンからの質問に答えるコーナーでのロナウドの紳士的な対応が話題になっていたようです。

話題になっているのは、一般公募で選ばれた3人のファンからの質問にロナウドが答えるというコーナーでの出来事。選ばれた3人のうちの1人のある少年が、メモ書きを片手に慣れないポルトガル語でロナウドに質問をぶつけたところ・・・

憧れのスター選手を前に、少年は慣れないポルトガル語で懸命に「ロナウド選手とプレーするのが夢です。そのために何をするべきか是非アドバイスをください」と質問をぶつけますが、そのぎこちないポルトガル語に対し会場からは笑いが・・・

しかし、それに対してロナウドは彼のポルトガル語を絶賛し、「なんで彼を笑うんだ?彼のポルトガル語は上手いじゃないか」と会場に向かって苦言を呈しました。その後、会場からは拍手が。

そして少年からの質問に丁寧にこう答えました。

「常にプロになりたいと意識しそのために努力をしてください。プロになるのは簡単なんじゃないかと思う人もいるかもしれません。ですが、本当に自分で強い信念を持たないといけません。一生懸命トレーニングをして、チャンスがあればものにしなければいけません。日々の生活の中にあるチャンスを生かし、自分の才能を発揮させなければいけません。僕は11歳でキャリアをスタートさせてずっとプロになりたいと夢を持っていました。16歳でプロになりました。もちろん、周りのサポートもありました。でも僕が一番伝えたいことは、自分の力を信じる事、そして100%努力する事。そうすれば夢は必ず叶います。」

少年のぎこちないポルトガル語での質問に対し沸き起こった笑いが失笑だったのか、それとも少年の緊張を緩和させるための笑いだったのかは分かりません。ただ、たくさんの人の前で勇気を出して質問した少年にとっては笑いが起こるという状況は馬鹿にされているように感じてしまうものだと思いますし、今後トラウマになってもおかしくないものだと思います。正直、個人的には「出る杭は打たれる」という日本の悪しき価値観がモロに表れたシーンだなと思ってしまいました。

しかしそこですかさず少年をフォローするロナウドはさすがスター選手の鏡と言えるでしょうね。

引用:Myフットボールあんてな

あんたカッコよすぎや……!(感涙再び)

悪童時代もこうした優しい面は多々ありましたが、以前にも増してサラリとにじみ出るように。

一方、一生懸命ポルトガル語を話したファンをせせら笑ったメディアをはじめとした方々は土下座して反省していただきたい。カッコ悪すぎ……。

クリさんのこういう対応は、日本のアスリートやメディアも見習うべきかと。「競技で結果出してりゃいい。なんでも許される」ものではないし、「選手がいるからお前らがいる」ではない。

ファンサービスに関しては、いつも心から素晴らしい対応をするのが海外の選手。その姿勢を通して「ファンの支えがあって自分がある」との想いが伝わる。清々しいですね。

それぞれお互いじゃないとわかりあえない唯一無二の同士

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さて、話を戻し。

「あのふたりはライバルだ!」と、ありもしない話まで捏造して荒らすほど勝手にメディアが煽りまくっていた側面も多々あったため、被害者ともよべるロナウド&メッシ。

とはいえ、特にクリさんは全面に出していたくらいライバル意識むき出しだった時代を経て、「このふたりならではの素晴らしい関係性」がひしひしとうかがえます。

この広い世界でお互いがたったひとり。

他の誰でもなくロナウドはメッシ、メッシはロナウド。

それぞれお互いじゃないとわかりあえない質があるんだろうなあ、と。

親友のようにものすごく仲が良いわけではない。でも、仲が悪いわけではない。

ライバルでもあり、なにより究極の同士・戦友・ソウルメイト。

今だからこそわかりあえる部分や心寄せ合う想いもあるんだろうな。そんなことまで感じさせてくれた今回の授賞式。

良いものが見れました。本当に清々しい気持ちです。