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「今大会はネイマールの大会になるか?」
サッカーの世界大会、とりわけ世界中が国の威信をかけ参戦するワールドカップでは、こうした言葉が必ず生まれます。特に強豪国での開催の場合、開催国の中心選手に期待とリスペクトを込めて。
ブラジルが『サッカー王国』と讃えられる理由
今大会は、サッカー王国・ブラジルでの開催。
サッカーが盛んなブラジルが『王国』と讃えられている理由。そのひとつが、生まれる以前からサッカーとともに育ち、ストリートからフィールドへと成長し、『人生に直結している=サッカーでの成功は自身と親兄弟が貧困から抜け出す』というこの国ならではの事情。
生きること、人生を豊かにすること。イコール、サッカーでの成功を意味するほどに。
貪欲という言葉が陳腐になる剥き出しの野生で、『生きるため』に闘い続ける。ブラジルにおけるサッカー=フットボールは、人生におけるあらゆる可能性を示唆し、人生の大いなる喜びです。
理由のもうひとつが、躍動感あふれる魅力的なサッカーを展開していること。
楽しそうにボールとたわむれ、サンバのリズムを奏でながら魅了する。ブラジルのサッカーは、『サッカーの楽しさ』『サッカーを愛する』という原点を映しだします。そしてそれらが、ブラジルに『レジェンド』と呼ばれるトッププレイヤーを生み出してきました。
ブラジルが悲しみに沈んだ『マラカナンの悲劇』の記憶
脈々と受け継がれた歴史を誇るブラジルですが、意外にもこれが2回目のワールドカップ開催。ワールドカップの開催国に選ばれることは、格別の栄誉であることを意味します。
前回大会は、まだ生まれていなかったひとも多い1950年。1950 FIFAワールドカップ ブラジル大会は、1930年にこの世に産声をあげたワールドカップの第4回大会。決勝の地は、リオデジャネイロ・マラカナン。
『マラカナンの悲劇』。
王国が悲しみに沈んだその悲劇とは、優勝候補筆頭と期待された開催国が、マラカナンで行われた決勝戦であと一歩のところで優勝を逃し、スタジアムでの自殺者、ショック死、多数の失神者まで出したブラジルサッカー史上最大の事件に発展した忌まわしき歴史。
あれから64年。時は経ち、2014年第20回大会の開催地に選ばれたブラジルにとって、悲劇から脱する、王国ブラジルを晴れやかに好転させる期待と祈りが込められています。
ワールドカップ以外の大会で優勝を飾ったとしても、依然としてまとわりつく悲しい記憶。『最強王者ブラジル』の新たな歴史をはじめるために、開催国ブラジルが今大会にかける想いはいかばかりか。
すべてを背負いピッチに舞い降りたエースストライカー・ネイマール
すべての期待を背負いピッチに舞い降りたそのひとこそ、ブラジルが誇るエースストライカー・ネイマールこと、ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール。
想像を絶するプレッシャーと祈りとともにピッチに躍動した彼が出した答えは、開幕戦2ゴール。すべての選手・監督・スタッフ・関係者、そして国民に対し、最高のリスペクトを捧げながら。
この事実が、どれほどブラジルのすべての希望となったか。
これからブラジルはどんな姿で闘い続けるのか。歴史をふまえながら観てみると、その熱き想いが、ひたすら願い続けた祈りが、少しずつ理解できるはず。
ブラジルは、すべてをかけて今大会に臨んでいます。
『サッカー=フットボールを心から楽しむ』ということ
すべての願いと、すべての祈りとともに闘う、ブラジルの不動のエース・ネイマールの2得点、そして若きエース・オスカルの1得点で幕を開けた2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会。
「今大会はネイマールの大会になるか?」
エンディングが上映されるまでは、誰にもわかりません。
いまはただ、すべての国にリスペクトを込め、映しだされる情熱に魅了されましょう。それが、『サッカー=フットボールを心から楽しむ』こと。そして、王国ブラジルがともに歩み続けてきた『サッカー=フットボール』なのだから。