【ふはいのおと】腐敗の音/THIS WORD THEME is CORRUPTION/荒廃したある世界
2015/10/31
ズブリ、ズブリ。
毎日、心音を焦がす音が響き続けている。
浅くなり、深くなり、また、浅くなり、深くなり。
やまないそれの正体をつきとめようと、頭をめぐらせ始めてから、
幾度の夜と手を結んで、幾度の朝と足並みをあわせただろうか。
いじめ、という生ぬるい言葉。
パワハラ、という外来種に逃避した言葉。
都合よく本質をぼやかしたそれらは、
都合よくぼやかせばぼやかすほど、
痛々しいほどに現在を映し出す鏡と化していることに気づかされる。
現在とは、世の中全体であり、国そのものであり。
人間のおぞましさ、醜さは、
時として、清らかな仮面を透かした先に存在し、
また、
時として、威嚇のための毒を放出すると共に顔を出してくる。
やまない雨はない、などという、薄ら寒いキレイごとを並べ立て、
無用な傷を、力を持たぬ者たちに増やし続けるあざとさ。
そこから響き続けている。
腐敗の音。