古来より、この国の言葉には、
あて字というものが存在しています。
美しい彩りを魅せるそれのひとつであるのが
「夫婦」と書いて「めおと」。
粛々と刻み、愛おしむように綴られる人と出来事の在り様に、
派手さや、声高に叫ぶ主義主張を慎んだ、
この国本来の地に根づく
強く美しい品、というものの存在を再認識させられる作品。
いい映画を観終わったときというのは、
えもいわれぬ、
時として虚無感にも似たような幸福な脱力感を味わうのですが、
久々に出会った脱力感に、
なんとも言えず満たされた気持ちでいっぱいになりました。
劇場公開時に、観たいと思い続けていたものの、
観に行くことができなかった事実を
本気でここまで悔やまされたというだけでも、
わたしにとっては珠玉の一品であると感じています。
「夫婦」と書いて「めおと」。
夫婦の究極の愛の物語、
ともいえるかもしれません。
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