影とは、辞書によると、
「不透明な物体によって光のさえぎられた暗い形」
とあり。
つまり、物体の存在には、必ず、光と影という、
相反するふたつが居ることとなり。
ただ、果たして。
影の存在とは、
「暗い存在」として、その路に果てなく在り続けるのか。
答えは、否、であり。
終結とも言える「死」に相対したとき、
人間は、今までをどう生きてきたか、そして、
これからをどう生きていくか、とも相対するという。
その淵でこそ、見え、心に宿すものもあると言われているのは、
どれだけ誠実に生きてきたか、生きていくのか、
どれだけ誠実に相対せたか、相対していくのか、
にかかってくるのでは…。
改めて感じ入るのが、本作を観ての粛々とした想い。
神の姿勢をも翻させた姿勢は、
神に「本当に輝いていた」と言わしめるほどの在り様。
影の存在とは、決して「暗い存在」では、ない。
そして、光でも影でもなく、
美しい後味を鮮やかに残してくれたことに、なにより脱帽…。
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