ashitanokioku

明日の記憶

By cinemasacchi, 2007/12/07

ashitanokioku
足りないもの、足りないことを、
慈しみ、いとおしむことができるかどうか。

自分に対して、他者に対して。
もっと言うのならば。
物に対して、物事に対して。

人間に、もしも「価値」というものがあるのならば、
それこそがたいせつな資質であり、
自分も他者も受け入れ、愛しぬけるという、
なによりの尊い価値を持った人間だ、と感じます。

とかく現代は、人や物の優劣をつけたがり、
ややもすれば、そこかしこを出来が悪いと蔑み、嘲けながら、
自分の居場所を確保して、誤った胸の張り方をしがちな、
たいせつな資質と尊い価値がごっそりと抜け落ちている人間も多い…
偽らざる事実でしょう。

ひずみの劣化が止まる気配のない世の中。
堕ち切るところまで堕ちないと、
資質、価値に気づき、向き合うことができないのでしょうか。

人間は、誰しもが、
いつかは老い、死と向き合わざるをえません。

できていたことができなくなり、
ひとつひとつを忘れていく。
自分にとって、どれだけ愛し、
たいせつにしていたものでさえも。

たいせつなことは、
できることではない、
忘れないでいることではない。

資質と価値に溢れた本作。
あなたは、気づくこと、向き合うことができますか?

 

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