【日刊/スポニチ/スポーツ報知】広島カープ“タナキクマル”田中広輔・菊池涼介・丸佳浩が語る優勝

今回の「祝!広島カープセ・リーグ連覇おすすめ記事特集」“選手にスポット編”では、あえて若手は取りあげずにおこうと考えていました。

もちろん若手軽視ではなく、若手選手はカープ女子はじめ新規層がピックアップしているだろうな、と。ファン歴30年以上だからこそ、経営陣・首脳陣ベテラン・外国人選手中心でいこう、というのが理由。

とはいえ、チーム全体の記事では鈴木誠也・野村祐輔両選手にフォーカスした内容もセレクトしているし、「若手もお願い!」とのリクエストもやたらと来るので、広島カープを象徴する若手の代表格を。

広島カープの若手といえば “タナキクマル”。不動の1・2・3番トリオの頭文字から名づけられた愛称とともに、いまやすっかり全国区になりました。

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広島カープの伝統「シュッとしたスマートなイケメンがいない」を踏襲する若手トリオ

最近カープのファンになったカープ女子のみなさんにはどう見えているか不明なところもありますが、広島カープはもともと「シュッとしたスマートなイケメンがいない」チームです。

のっけから誤解を呼ぶ発言ですが、いや、誤解でもなんでもなく、これは事実(カープ女子を泣かせる発言はやめなさい)。

まー、一言で言えば、老いも若きも「ノリがいいあほの子揃い」(真顔)。

シュッとしたスマートなイケメン」というより、「ゴツゴツした野武士タイプ」あるいは「昨今流行りのもやし系・草食系の真逆に位置する、ケンカさせたら絶対に負けないタイプ」ばかり。

なにしろ先輩方が伝統的にこうですから。みなさん、これ、プロ野球選手の移動風景ですからね?間違っても「広島組の組長以下組員総出で抗争へ」なんて絵ではないんですよ?インテリヤクザじゃないですからね?いいですね?

だってさあ、菊ちゃんなんてどこが「シュッとしたスマートなイケメン」なんですか、どう見たって「実写版ルパン三世」じゃないですか(多方面の爆笑を呼ぶはめになった素直な指摘はやめなさい)。

小栗旬じゃなくて、うちの菊ちゃんを抜擢すればよかったんですよ。わかってないなあ、芸能プロダクションも映画会社も。なんなら、いまから撮り直して製作し直すとい(だからやめなさい)。

ツッコミポイントだらけ、流行の真逆の我が道をいく広島カープ、愛してる。ということで、「ノリがいいあほの子」(心から褒めてます)の筆頭、“タナキクマル田中広輔・菊池涼介・丸佳浩トリオをご紹介します。

両方読むと内容が全部見えてくる」と感じた、同じ対談の切り取り箇所が違う2本と、「田中選手は軒並み息子か甥っ子」に思えるわたしがツッコまずにはいられない、ちょっととぼけたコースケ選手の一年後の単独手記をどうぞ。



【日刊スポーツ】広島同学年「タナキクマル」がV舞台裏を本音トーク

<巨人4-6広島>◇10日◇東京ドーム

 広島の前回優勝時は1歳か2歳。生まれも育ちも違う同学年がセンターラインをがっちり守り、不動の1~3番トリオとしてチームを引っ張った、まさに平成の「三本の矢」伝説。1番遊撃の田中広輔(27)2番二塁の菊池涼介(26)3番中堅の丸佳浩(27)。タナ・キク・マルが記念の座談会で、新時代の優勝、その舞台裏を本音トークで披露した。

 -優勝おめでとうございます

 タナ(田中) 今まで大会が全部準優勝。どこかで「僕がいるからな…」という心配もあった。

 マル(丸) そんなこと言ったら、キクは1回もないだろ!

 キク(菊池) なめんなよ!(笑い)大学は万年Bクラスみたいな感じ。プロで試合に出られていることが信じられないくらい。さらに優勝…あり得ない。

 マル カープに入ったときは優勝とは遠くて、イメージすら。14年は優勝争いの最後に巨人戦3連敗…。あそこでリアルな優勝までの距離感を感じた。

 キク 俺はパレードがしたい。赤松さんに阪神時代のパレードの話を聞いて、すごくやりたかった。

 -優勝を確信した時期はある?

 マル 俺はある。

 キク 俺もある。

 タナ 俺は…ない。常に不安だった。

 マル 普通あるやろ。キクはいつ?

 キク (8月7日)巨人戦。あそこでちょっといけるかなと思った。

 マル 俺はもっと早い時期。(6月14日西武戦の)赤松さんがサヨナラ打を打った試合。苦手だった交流戦で最後突き抜けた感じ。

 タナ マジック14くらいになってじゃない? マジック20でもすぐ消えちゃうかと不安だった。

 マル マジックの仕組みから分かってなかったでしょ。「巨人も負けたらどうなる」って。1減るやろって答えたら「そうなの? めっちゃいいやん!」。

 タナ そこで初めてちょっと安心。

 -「神ってる」は

 マル 誠也にまたやれと言っても無理と思うけど、それくらいの能力を持っているのは知っていた。

 キク 「神ってる」より「やってる」(笑い)。

 -同学年の呼吸

 マル 二遊間はあるんじゃない? キクの動きは普通の二塁手とは違う?

 タナ 年々良くなっていると思うよ。

 キク 最初はやりづらかった。お互い探り探り。でもマルとはもう長いから。

 マル 広輔は3年目? 敬語やぞ、普通(笑い)。

 キク 出身どこだっけ?

 タナ 神奈川の厚木市。

 マル 田舎やな。

 タナ じゃあお前は?

 マル 勝浦(千葉)。

 タナ 田舎じゃねぇか!

 キク 俺も東京でも23区外だから(笑い)。

 -上位トリオとして

 タナ キクはバントもエンドランも右打ちもできる。進めてくれたらマルがかえしてくれる。俺は取りあえず塁に出ればいいやと。

 キク 1番固定が久しぶりで、やりやすかった。

 マル 自分がかえすというより、後ろに助っ人がたくさんいた。「やってる」誠也も。塁に出ればいいかなと。それにしてもすごいね、あの40歳(39歳の新井貴浩)は。150キロでも年を取ると目がついていかなくなるのが普通なのに、全然感じないって。もう、お化け。

 キク あとはムードメーカーだな、完全に。

 マル 大ベテランが率先して声を出していたら、出さざるを得ない空気になる。(田中を指し)こいつは出していないけどね。

 タナ 出しているよ。一生懸命一番前で出しているでしょ。

 キク SS席で見ているんじゃねぇよ。俺が入ったときにはロッカーで話す人もいなかった。それでもマルが入ったときよりはいい環境。広輔はもっといい環境…恵まれているよ!

 マル 旧市民球場のとき、俺は自分のかばんが椅子だったからね。

 キク 今年みんなで1つになるのは、新井さんと黒田さんのおかげ。恵まれているよ、広輔は。

 タナ それは本当に思ってる(笑い)。

引用:日刊スポーツ

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【スポニチアネックス】タナキクマル歓喜の“アカトーーク” 誠也は「神ってる」じゃなく「やってる」

セ・リーグ 広島6―4巨人
(9月10日 東京D)

 感動Vの原動力は同学年トリオだった。不動の上位打線を形成した田中広輔内野手(27)、菊池涼介内野手(26)、丸佳浩外野手(27)。「タナキクマル」が歓喜のシーズンを振り返った。

  ――今季、優勝を予感した試合はあった?

 マル 俺ある。

 キク 俺もある。

 タナ え、そう?

 マル 俺、あそこしかないわ。キクどこ?

 キク ジャイアンツ戦。マツダでやったヤツ(8月7日、連敗で迎えた3連戦3戦目の9回2死から菊池が同点弾)。あそこで3つ負けていたら…。あそこで決まったわけじゃないけど、ちょっと感じた。

 マル 俺、もっと早い段階。赤松さんがサヨナラヒット打った時(6月14日西武戦。この試合から11連勝)。あ、今年は行けるって。

 キク 早いわ。

 マル (代走中心の)赤松さんだよ。しかもコリジョンルール適用のサヨナラ。勢いというか、何か表しているかなって。

 ――鈴木の「神ってる」3連発は?

 マル 確かに凄かった。でも、それぐらいの能力を持っていると僕らは知っているから。

 キク メディアの人が言うほど、僕らは衝撃を受けてない。誠也だったら、やってくれる。だから「神ってる」じゃなく「やってる」。

 タナ うん。ちゃんと「やってる」って感じ。僕は優勝を予感したのは、マジック14くらいから。20でもすぐ消えちゃうのでは…と思っていた。

 キク だってコイツ、マジックの仕組み全然、知らなかったんだから。

 マル 「俺ら負けて、ジャイアンツも負けたらどうなるの?」って聞かれて…。そりゃ1つ減るやろって言ったら「そうなの?メッチャいいじゃん」って返ってきた。

 ――1~3番を同学年の3人で固めた。

 タナ 僕の場合、塁に出れば、キクはバント、エンドラン、右打ち…何でもできる。送ってもらったら、丸が還してくれる。だから僕はとりあえず、塁に出ればいい。

 キク 1番は固定されていた方が(2番の)僕としてはやりやすい。

 マル (3番だが)後ろに新井さんも、「やってる」誠也もいる。還せればベストだけど、アウトにならずに塁に出られれば、いいかなって。

 ――新井の存在感。

 マル 凄いですから。あの40歳は(実際は39歳)。同じ150キロでも年を取ってくると目が衰えてきて、ついていけなくなるのが普通だけど、それを全然感じない。おばけですよ。おばけ。

 キク おばけです。それでムードメーカーです。完全なる…。

 マル あれぐらいの大ベテランが率先して声出してくれたら、僕らも出さざるを得ない雰囲気になる。でもおまえ、あんまり声出さないよね。

 タナ …。

 キク (試合を)SS席で見てんじゃないよ。

 ――選手同士、息が合っているように見える。

 マル この世代もだけど、どの世代もそう。赤松さん、天谷さん、松ちゃん(松山)、哲さん(小窪)。みんなムードメーカーになれる。

 キク いい意味で仲がいいと思いますよ。丸は僕よりもっと前にカープに入って、その後に僕が入って。僕はここ(丸)より、いい環境だった。(田中は)もっと、さらにいい環境で…。

 キクマル 一番、恵まれているよ。

 タナ それ、ホント思う。

 キク 1年目の時、緊張してしゃべれる先輩がいなかった。

 マル 俺も旧市民球場の時、(ベンチに座れずに)自分のカバンがイスだったもん。

 ――私生活も仲良し?

 キク べったりではないけど食事とかは行ったりするね。丸はパパをちゃんとやっているし、私生活は邪魔しないけど。ここ(田中)は休みの日に電話して「何してんの?って」。

 タナ 嫁さんと買い物中とかにですよ。

 マル この年で子供いるの俺だけ?

 キク 朝も、先輩たちと「子供がどうした、こうした」って話していた。パパなんですよ。僕らとは、やっぱ何か違う。

 マル 家族といる時が一番リラックスできる。子供と接することで何か「緩む」というか、君ら2人には分からないだろうけど。

 キク 結婚願望、最近あるよ。そりゃもう、野手で独身最年長だもん。

 マル キクのオフのリラックスは?

 キク 俺は釣り。最高だね。心の癒やし。「無」になれる。

 マル コイツは試合後の、ビールの一口目が飲みたくて頑張っている。

 タナ 休日前、家帰ると嫁さんがビールとおつまみを用意してくれる。それが楽しみで…。

 キク オヤジか?遠征先で、ご飯行ってコンビニ行くと「また飲むの?」ってくらい必ず買うよね。

 タナ 寝酒です。

 キク おじいちゃんだよ。

 ――優勝の実感は

 タナ 高校の時、全部決勝まで行って、全部準優勝で終わった。優勝したい気持ちは強かった。カープに入って、どこかで“僕がいるから”って心配もあった。

 キク 俺はもう、訳分からんかった。大学とか6校で3位になったことすらない。優勝なんてあり得なかった。俺の野球人生からしたら。

 マル 今年で9年目だけど、入ってきた時は、優勝とは遠い感じのチームだった。自分が出させてもらえるようになって、CSに初めて行けたとか、14年は最後の方まで優勝争いして巨人に地方3連戦で3タテ食らったりとか。そこがリアルに優勝までの距離感を感じた瞬間だった。

 タナ 大学のリーグ戦でやったことがあるけど、ビールかけは楽しかった。でもプロは全然、規模が違った。まず無礼講なのが楽しい。

 3人 またシリーズでもビールかけできるように頑張るだけだね!

 ◆丸 佳浩(まる・よしひろ)1989年(平元)4月11日、千葉県生まれ。千葉経大付から07年高校生ドラフト3巡目で入団。13年盗塁王。1メートル77、90キロ。右投げ左打ち。9年目の今季は打撃フォーム大幅改造で昨季の不振から脱却。6月5日ソフトバンク戦では首位奪回のサヨナラ打。

 ◆菊池 涼介(きくち・りょうすけ)1990年(平2)3月11日、東京都生まれ。武蔵工大二(現東京都市大塩尻)―中京学院大。11年ドラフト2位で入団。1メートル71、69キロ。右投げ右打ち。5年目の今季も神出鬼没の二塁守備は健在。13発は自己新で、打率、打点もキャリアハイの勢い。

 ◆田中 広輔(たなか・こうすけ)1989年(平元)7月3日、神奈川県生まれ。東海大相模―東海大―JR東日本。13年ドラフト3位で入団。1メートル71、81キロ。右投げ左打ち。3年目の今季は「1番・遊撃」で全試合出場。7月28日は高校、大学の同級生だった巨人・菅野から2本塁打。

引用:スポニチアネックス

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【スポーツ報知】【広島】田中広輔優勝手記…“タナキクマル”「3人で引っ張らなきゃという責任感芽生えた」

 今年も田中、菊池、丸の「タナキクマル」トリオは健在だった。広島不動の1、2、3番は走攻守で相手の脅威となった。リーグトップの163安打、103得点を誇る丸はMVPの最有力候補だ。1番でフルイニング出場し、打線を引っ張った田中が、スポーツ報知に独占手記を寄せた。

 2年連続で自分のところに最後、ボールが飛んできて良かったです(笑い)。今年は自分のところに飛んでこいと思っていました。本当にうれしい。

 「1番打者」にこだわりはあります。昨年より1番らしい仕事ができたかなと思います。四球の数も出塁率もしっかり残せた。タイトルも目標に、盗塁は昨年よりも絶対に多く決めたいと思っていました。打率もある程度満足できる部分です。本塁打は減りましたが、この1年間、そこは我慢してやってきました。昨年は本塁打も意識して打率を落としてしまったので。

 本当の理想像はもう少し長打が打てる1番なんですけどね。長打も打ちたいし、率も残したい。そこが来季へ向けての課題ですね。一気に色々なことは出来ないと思う。でも打者ならやっぱり、誰でも本塁打を打ちたいという気持ちがあるんですよね。

 「タナキクマル」【※1】とまとめられますが、正直なところ特別そこに入りたいと思ったことはないんです。ただ、そう言われるからには、僕もやらなきゃ、3人で引っ張らなきゃという責任感が芽生えた。それは3人とも感じながらやっていると思う。お互いにいい刺激になっています。キクはあの守備で流れを変えられる。本当に頼もしい。丸は練習も一生懸命しますし、陰で投手の研究もしている。今年は本当に勝負強い。どんな感じで打っているのか聞いて参考にすることもあります。

 フルイニング出場【※2】は、大きな目標というより結果的に出ていたという感じです。レギュラーなので、ちょっとしたことで休みたくない。阪神の鳥谷さんのようにショートで出続けることを目指さないといけない。体は正直きつい。疲労回復のため(冷水と温水の)交代浴はずっと続けてやっています。昨年は夏場は本当に苦しくて、成績も落としてしまった。今年もしんどいですけど、成績を落とさずにやれているのは気持ちの面が大きいかなと思います。昨年は初めてだったので、どうしても精神的に疲れる部分があった。今年はうまく切り替えながらできてますね。

 東海大相模から東海大と同級生だった菅野とは、互いに意識しながら刺激をもらいながらやれています。食事にいけば近況報告だったり、「あそこでよく打ってくれたよな」とか昔話も盛り上がりますし、野球の技術的な話もします。敵ですが、いい投手と対戦するのは楽しいです。菅野が大学ジャパンに参加しているときに、僕は球拾いをしていたこともあったけど、複雑な気持ちとかそういうのは全くなかった。高いレベルでやりたいというモチベーションはずっと捨てずにやっていました。

 WBCにも出場して一人一人意識の高さだったり、取り組み方に触れ、経験できてよかった。自分も全く届かない選手じゃないと感じたところもあったし、そこを目指したいと改めて思いました。坂本さんにも色々と聞けたりして、刺激になりました。内容は大事なことなので秘密ですが…。今回はサブとしての招集だったので、東京五輪もありますし、いつか主力として出たいという思いは強くなりました。

 昨年はCS【※3】であれだけ打てたんですが、打ちすぎて日本シリーズ打てなくなってしまったので、ほどほどに…。僕は短期決戦のほうが好き。後のこと考えなくていいですからね。(広島カープ内野手)

 【※1】売り出し当初は「キクマル」コンビで有名だったが、昨年から田中が1番に固定され同級生の「タナキクマル」が定着。

 【※2】2015年4月1日のDeNA戦(横浜)から連続フルイニング出場を継続中。

 【※3】DeNAとのCS最終ステージ4試合で12打数10安打(打率8割3分3厘)と打ちまくり、最優秀選手賞を獲得。

引用:スポーツ報知