ソチ五輪における浅田真央選手に対しての森元首相発言に関する考え

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すべては浅田選手SP終了後に森元首相がやらかしたイタイ発言から

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森元首相 浅田選手は「大事なときに必ず転ぶ」

 森元総理は20日、ソチオリンピックに出場している浅田真央選手のショートプログラムに触れ、「大事なときに必ず転ぶ」と発言しました。フリーの演技を控えていた時点での発言に波紋が広がっています。

 「あの娘、大事なときには必ず転ぶんですよね」(森喜朗元首相)

 森元総理は20日、福岡市での講演で、ソチオリンピックのフィギュアスケートに出場した浅田真央選手のショートプログラムの演技についてこのように述べました。その上で、日本時間の今月9日未明に行われた団体戦に出場して、ジャンプで転倒したことがショートプログラムに影響したと分析。

 「負けるとわかっている団体戦に何も浅田選手を出して恥をかかせることはなかったと思う」(森喜朗元首相)

 トリプルアクセルが成功すれば団体戦で3位になれると、淡い期待を持って浅田選手を出場させた、と協会を批評。その団体戦での浅田選手の演技についても、森元総理は「見事にひっくり返った」と重ねて発言しました。

 森元総理は東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を務めています。

(2月21日(金) TBSニュース引用)

Twitterに「#maofight」誕生 浅田真央選手を海外の名スケーターたちが応援



森元首相の浅田真央選手に対しての発言全文

森喜朗 元総理・東京五輪組織委員会会長の発言 書き起し

上記が森元首相の発言ほぼ原文だそうです。
これを読んで「悪気がなかったからいいじゃない」とか、「これが悪いのならおもしろいことがなにも言えなくなるよ」というのは、ズレているかと思います。

確かに日本メディアの過剰な揚げ足取りは酷い。
印象操作を行うために、ちょっとした発言を悪意のもとに捻じ曲げて伝える。これは絶対的にNG。

だけど、そもそも森元首相の発言のなにが問題だったか?というと、浅田選手を実は思って言っているどうこう以前に、『アスリートを軽んじている』ということ。



東京五輪組織委員長として国際記者会見の場での発言として幼稚すぎる

森元首相の立場は、東京五輪・パラリンピック組織委員長。
つまり、オリンピックにおける日本の顔であり、代表者とも言える存在です。

その人物が、自国を代表して闘っている一アスリート、ましてやまだ試合が終わっていない段階で、軽んじる発言をしたことが絶対的にNG。もちろん、どの段階でもNG。ものすごく恥ずかしいことです。

おもしろいことが言えなくなる、という考えもあるかと思いますが、おもしろくないじゃん(笑)。どこがおもしろいの?アスリートを軽んじてそれがおもしろい?その感覚がワタシは理解できない。

これは、『アスリートにリスペクトがない』『自分の利益しか考えていない』と思われても、なにも文句が言えません。こういうところで、人格と品格と日頃の考えがうっかり出るということ。



アスリートと現場関係者へのリスペクトを持つということ

オリンピックを始めとしたあらゆる国際大会において、アスリートは主役です。間違っても、組織委員長が茶化したり、うっかり発言したり、軽んじていい存在ではありません。転倒が大きく結果に響いた現状に対し、自分の身を挺してでも守るべき存在です。

リスペクトの想いでアスリートに接することができないのなら、委員長の資格はありません。組織委員長とは、自国を代表して闘うアスリートを守るべき存在であり、より良く競技に集中するために、より良い結果を出すためにサポートする存在です。あなたが主役じゃない。アスリートのブレーンでなくてはならない。

アスリート、現場関係者以外の、実際に競技をやったことがない人間も、国際大会になればなるほどたくさん関わります。でも、ベースとして絶対的に必要なことは、『アスリートと現場関係者へのリスペクトを持つ』ということ。

もちろん逆も然り。『アスリートや現場関係者はなんでも許される』なんてイミでは言っていません。

一般社会のビジネスでも同様、もっと言うのであればプライベートの付き合いでも、『ひと同士は、リスペクトと愛情と思いやりがなければ、簡単に破綻する』ということ。自分の都合で使ってやろうと算段する人間や、お互いそれぞれで感謝がない人間からは、ひとはいずれ離れていきます。

純粋に、まずそこが決定的に欠けている、森元首相には。



『あの子』呼ばわりは本当にとんでもなく恥ずかしい

もうひとつ。『あの子』という発言に関して。

そういった面に、あまりよろしくない方向でルーズな国内なら許されたと思います。でも、森元首相が発言した場は、国際記者会見の場であり、自国のオリンピック組織委員の代表者として発言する場です。飲み屋でおっちゃん同士が話すならいいけどさ(笑)。

たとえば、英語圏においてはすべて女性は『She』です。『彼女』。
成人女性に対して『Kids』とは言わない。ここらへんがズレなんだろなーと思いました。

たぶん、男性と女性では感じ方も違うかもしれません。
過剰なフェミニストにもあまり良く思えないワタシですが、さすがにそりゃないだろ、と。

『日本はロリコン好きな男が多い』『女は若くなくちゃダメだと思っている』『女性を軽んじる傾向が強い』と見られている、という国際社会においての日本男性への印象を、あるイミ見事に露呈してしまったのかもしれません。よりにもよって、自国代表の素晴らしい一アスリートに対しての発言として。

グローバルに発展し続ける都市・東京での五輪・パラリンピックのために

きっと浅田選手ご本人は、こういうやらかしっぷりは気の毒なことに慣れていらっしゃる(そもそもそれがずっと大問題)から、気にせず流すでしょうが、本当に2020年東京五輪・パラリンピックを開催する気があるのなら、そろそろ真剣に方向転換を考えるべき時期じゃないのかな、と思いました。

国際社会で通用する、理知的で視野が広く、グローバルな感性、感覚、考えを持ち、そしてなによりここが重要ですが『スポーツという文化、アスリートと現場関係者に心を寄せられる、リスペクトで接することができる』という人物に変えていただきたいと思います。さすがに、森元首相がこのまま組織委員長という恥ずかしい事態は勘弁してほしい。

オリンピックもろくに見ていないとか、スポーツに無関心の方々ならなんにも感じないことかもしれないけれど、スポーツ好きとしては本気で勘弁してほしい。なにより、スポーツ以前に、国の代表として恥ずかしすぎる。東京は積極的に恥をかきにいく都市ではありません。グローバルに発展し続ける都市です。

ともかく、アスリート軽視の人物が、アスリートより自己利益、組織委員会重視の人物が、アスリートが絶対的な主役である栄誉ある祭典を取り仕切る代表者であるという現状は、非常にまずいです。とっとと玉座を降りていただきたい、と切に願います。

ものすごく簡単に言ってしまうと……

と・っ・と・と・辞・め・て・く・れ・よ・も・う・ろ・く・お・じ・い・ち・ゃ・ん