“雑草魂”上原浩治の強み|苦しかった浪人時代を忘れない愛すべき優しいクローザー

所属チームのメジャーリーグ・ボストンレッドソックスで試合出場する上原浩治

“ボストン・レッドソックスが誇る不動のクローザー”と耳にして、みなさんは誰を思い浮かべますか?

きっとすぐに、ある日本人の名前を思い浮かべる人が多いはず。

彼の名は、上原浩治。

学生時代、エリート街道とは異なる道を歩んできた上原選手にとって、プロ入りしてからの人生は華やかでもあり、多くの苦悩とともに走り続けてきたものでもあり。

そんな上原選手が「自分の原点である浪人時代をたいせつにしている」と語る記事が公開されていました。


この記事はこんな人におすすめ
  • 上原浩治が好きな人
  • ボストン・レッドソックスが好きな人
  • 読売ジャイアンツ/巨人が好きな人
  • 上原浩治のヒストリーが知りたい人

「浪人時代があったから」上原浩治の負けない強さ

所属チームのメジャーリーグ・ボストンレッドソックスでのシーズンに備え、オフシーズンに自主トレをする上原浩治

 米大リーグ、ボストン・レッドソックスの2013年のワールドシリーズ制覇を支えた上原浩治投手(39)。「クローザー」としてチームメートや監督から絶大な信頼を得ていた上原投手の登板は、常に苦しい場面ばかりでした。重圧をはね返す力になったのは、「背番号19」。その裏付けは、浪人経験だといいます。

大学を卒業してプロ野球の巨人入団からずっと付けている背番号「19」は、「19歳の時の苦しさを忘れないように」との思いで選びました。高校生の頃は、大学に行って4年間野球をやり、その後は体育教師になろうと思っていました。そのため、自宅から通え、自由な校風の大阪体育大(大体大)への進学を考えていました。

高校3年間は野球漬けで全く勉強しなかったため、知識はほぼゼロに近かった。浪人してから、中学レベルからやり直そうと、予備校の一番下のクラスに入りました。午前9時から午後5時ごろまで予備校で勉強。うまく気分転換しないとおかしくなってしまいそうだったので、夕方からスポーツジムでウエートトレーニングをしていました。振り返ってみると、無理に受験のテキストを開かず、中学の勉強からやり直したことが良かったように思います。野球もキャッチボールなど基礎が大事ですが、基本をおろそかにしていると応用もできません。

好きな教科なんてありません。でも、やらないといけなかったので。逃げては通れない道ですからね。あの時、勉強したから今があると思っています。もしスムーズに現役で受かっていたら、今の自分はないかもしれない。だから振り返ると、あの1年があって良かったと思います。もっと野球が好きになりましたから。

大学を選ぶに当たって一番大事なのは、自分が何をしたいかだと思います。単に友達が行っているから、という理由だったら絶対、やめた方がいい。僕の場合は体育教師になりたいという夢がありました。浪人の1年は本当にきつかった。ですが、あの1年があったから、野球でしんどい場面があっても、そんなに気にやむことはありませんでした。やっぱり、先が見えない19歳の時が一番つらかったから。

クローザーはきつい。チームの勝利のかかった大事な場面でマウンドに上がり、抑えることを当然のように求められます。でも、そういう時も背番号を見れば、「19歳の時に比べれば、好きな野球を仕事にしている。そんな幸せなことはない」。そう思うとすごく気が楽になるんですよ。

大事な場面でマウンドを任される時、(満員の)スタンドを見上げます。「わー、すごいお客さんがおるわー」。試合だけにとらわれることなく、球場を見回してみる。勝負とは別のことが頭に浮かんできて、またパッと試合に気持ちが向かいます。野球は投手が投げなければ始まりません。自分が主役です。受験も自分が主役。試験監督が「よーい、始め」と言ったら、1分ぐらい周りを見渡して、心を落ち着かせてから始めるのもいいんじゃないでしょうか。見渡したらカンニングと思われちゃうか(笑い)。

派手なこと、奇をてらったことで注目を引かなくても、こつこつ努力している人は、誰かがちゃんと見ていてくれるものです。野球でも球団によって目立ち方が全く違い、「自分の方が成績を上げているのに、なんであいつが目立つんだ」ということもあります。でも第三者より、まず自分がこつこつ頑張っていけば、間違いなく自分に返ってきます。人はなるようにしかなりません。ただ、やることをきちっとやって、なるようになるための努力をしてきたかどうかで違いが出ます。

僕は今、39歳。メジャーリーグに来たのは、野球選手にしては遅めの34歳です。こつこつやってきたことが10年、15年を経て実を結ぶことがあります。だから、やっぱり諦めるな、ということですよ。受験もそう。今やった勉強がすぐ受験に役に立つかは分かりませんが、試験の前日まで、最後の最後まで頑張ることが大事です。

この年齢でレッドソックスの2年契約を取れたということで、提示してくれた球団や関係者、ファンにはすごく感謝しています。またそういう人たちのためにも頑張らんとあかんなと思います。頑張っている人にしか野球の神様は降りてきません。それは受験勉強も同じで、頑張った人にちゃんと点数が与えられると僕は信じています。ここまできたらちゃんと体調管理すること、最後まで諦めずにやることだと思います。改めて浪人の1年を振り返り、自分でもようやったなと思います。僕は今でも「尊敬する人」を聞かれると、「勉強している浪人生」と答えるんですよ。それくらい大変だってことを、身をもって経験しましたから、受験生には本当に頑張ってほしいなと思います。

引用:毎日新聞



言行一致のアスリートの代名詞といえば上原浩治

所属チームのメジャーリーグ・ボストンレッドソックスで試合終了後にインタビューに答える上原浩治

読んでいるだけで目頭が熱くなるインタビュー。

これほど言動と行動、振る舞いがきちんと一致しているアスリートもめずらしい。

読売ジャイアンツに指名される前からファンだったわたしにとって、上原浩治という人はずっとずっと変わらない。

「良い意味で近所にいるおにーちゃん」の温かみを持った、人間性あふれるチャーミングで心優しきアスリートです。

所属チームのメジャーリーグ・ボストンレッドソックスで試合出場する上原浩治

上原選手に関しては、以前「もうこれ以上はなにも出てくるものがないんじゃないの……?」と我ながら納得してしまうほど、長年のファンとして書き綴った記事があります。

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koji uehara KOJI UEHARA the zasso spirit get to the top

koji uehara 上原浩治 頂点をつかんだ愛すべき雑草魂



マウンドへ向かう瞬間、スタジアムが劇場へと表情を変える

今回は映像をシェアします。

これがボストン・レッドソックスが誇る『KOJI UEHARA』です。

ぜひじっくりとご覧あれ。



「近所にいるおにーちゃん」で在り続ける愛すべき雑草魂

所属チームのメジャーリーグ・ボストンレッドソックスで試合出場する上原浩治

浪人生を素直に「尊敬している」と。

「ウソでもポーズでもなく、この人ならば当たり前に本心だろう」が伝わる存在。

今年も心から応援しています。

いまやボストン・レッドソックスの偉大なクローザーでありながら、いつまでもずっと親しみあふれる「良い意味で近所にいるおにーちゃん」で在り続けてくれる。

そんな愛すべき雑草魂を。

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