【しゅんかしゅうとう】春夏秋冬/THIS WORD THEME is 2008BeijingOlympic/北京オリンピック野球日本代表
2015/10/31
その刹那、
全身をこわばらせ続けていた足元の薄氷は消え去り、
代わりに現れたのは、
鮮やかに紅く賑う彩りだった
目を閉じても、
安らぎに落ち入ることができず耐え忍んだ憂いの日々を、
労わり、称えるかのように、
彩りは宙にまで舞い上がり、
ゆっくりと広がり続け
秒針のリズムをたぐりよせ、
ひとつ、そしてまたひとつ、と、刻み続けながら、
手をとり、ほころびあう瞬間に向かい
季節は、やはり手をとるが如く、顔の見せ方を変え、
ただ、不思議と、
通常の営みとは異なる歩みを辿る
厳しい北風に立ち向かい続け、
紅のじゅうたんに迎え入れられた今、
つかの間の潤いのひと時を経て、
やがて、灼熱の大地に足を踏み入れる時がやってくる
それはまるで、
冬から、秋、夏の歩み
そして、
喜び高らかに咲き誇る、
万感の開花の瞬間へ